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ほんとうのさいわいはいったいなんだろう

人は何故、試験前だの締切り前だのという逼迫した状態におかれた時に限って、数年間触れてもいなかった本を急に読み返したくなるのだろう。
所謂一つの現実逃避?

件の検定前、何だか急に宮沢賢治の小説が読みたくて読みたくて堪らなくなっていたワタクシ。限りない透明感と浮遊感、それと相反する肉感と猛々しさ、独自の宇宙観と因果律。それらにドップリと耽っていたい、そんな誘惑を必至で払い退けつつ試験勉強しておりました。

なんでまた急に宮沢賢治なのか。
引き金となったのは、就寝時に使っているホームプラネタリウム器『HOMESTAR』で、天井に映し出される天の川の光を眺めていたことだと思います。「ああ、賢治は、あの光る川の岸辺を、どんな気持ちで旅したのだろうなぁ」と、銀河を走る鉄道に想い巡らしている内に、賢治作品を読み返したくなっちゃったんですね〜。

しかし、試験勉強に勤しみ中に押し寄せてきて、退けるのに多大な労力を必要としたあの欲求は、イザ試験が終了するとシオシオと萎れていっちゃうんだから不思議(笑) やっぱりアレは、苦しい中の逃避心理なんだな。

でも、折角思い出したので、ドーター午睡の時間を利用して、手持ちの宮沢賢治作品本を読んでいます。
「銀河鉄道の夜」が一番好き。未完成作品だというのに、衆心を惹き付ける圧倒的な魅力を持っている、正に未完の大作ですね。
主題があからさまにはされていない為、初めて読んだ時(10代だったかと思います)には、作品の深みに気付かず、ただそこに描かれているファンタジー世界に酔いしれただけでした。以降(ワタクシも歳を重ね)何度か読み返すうちに、賢治哲学と言うか、彼独自の宗教観・宇宙観・思想などを、少しずつ読み取れるようになってきて、その為ますますその世界に魅了されるようになっていきました。
勿論、賢治の思想を完全に理解するのは無理ですし、理解しようとしながら読むのも無粋ですから、あくまでも「賢治が表現しようとした世界を、“こうじゃないか”と類推しながら、読者自身が己の宇宙観を作り出していく」作為を楽しんでいるだけと言うのが正しいですが。

それにしても、『三角標』だの『(空の)プリオシン海岸』だのを、夜空を見上げながら思い描いた賢治の空想力って、素敵だなぁ。その一方で、作品中で披露される科学分野での高い教養も、彼の作品を、ファンタジーとサイエンスの狭間世界に在らしめる重要なエッセンスになっていますよね。
(そもそも、物理や科学って、突き詰めればその奥から見えてくるのはファンタジー世界だよね)


賢治が見上げた岩手の夜空には、きっと満天の星が輝いていたのでしょうね。天の川だって、きっとクッキリ見えたのでしょう。
夜なお明るい空の下に暮らすワタクシは、ホームプラネタリウム器が作り出す映像の星空を眺めながら、銀河鉄道の旅に出ますのことよ。

数年前に観に行った、『プラネタリウム銀河鉄道の夜』、もう一回観たいなぁ〜。



蛇足を加えますが・・・。
賢治作品の中に、これまた未完成の『ひかりの素足』という作品があります。これは、銀河鉄道の夜と主題を同じくした作品、もしくは“銀河鉄道の夜の第一稿ではないか”とも言われているようです。
こちらの作品は、銀河鉄道の夜と比べれば、作品の意図が読み取り易いので、もしも「銀河鉄道の夜って、何がいいたいんだか良く分からない作品なんだよね〜」と感じる方は、合わせて『ひかりの素足』も一読してみたら如何かと。
とは言え、受け取り方は千差万別で構わない作品だとも、思いますので、我ながらこれは、かなり無粋な提案です(苦笑)
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